コンクリート構造物において、粗骨材が多く集まってできた、空隙の多い不良部分発生原因としては、材料分離、締め固め不足、型枠からのセメントペースト漏れがあげられます。
断面性能の低下、コンクリートの中性化、鉄筋の腐食の促進などの影響を及ぼします。補修方法はジャンカの深さの程度によりますが、ポリマーセメント塗布や無収縮モルタル充填が一般的であります。
①十分な締め固め=浮きバイブレーターの採用
②セントル検査窓からのセメントペースト漏れを防止する=日常管理、打設中の目視及び反省会
一般的なコンクリートは、コンクリート中のエアーが締め固め時、表面に出ます。しかし、覆工コンクリートの場合、特にSL部から下げ猫部は、構造上逆テーパーであるためこのエアーがコンクリート表面に残留する現象であります。
①過度な締め固めを防止
②バイブレーターを型枠面に過剰に当てない
型枠表面のケレン作業や剥離剤の塗布作業の不良により、新たに打設するコンクリートの型枠脱型時にコンクリート表面の剥離現象を生じることがあります。
また、コンクリートの初期材齢時(型枠脱型時)の強度不足で剥離現象を生じます。
①ケレン、剥離剤塗布作業を念入りに行う=自動ケレン、自動塗布装置の採用
②型枠脱型時に強度を確保する=セントル温度養生の採用
コンクリートは横移動してはいけませんが、構造上移動しなくては施工が不可能です。横移動により、材料分離が発生し外見的に見苦しく、またひび割れの発生原因としても考えられています。
①検査窓(打設口)の増設
②打設用切り替え装置の採用
③天端引き抜きバイブレーターの採用
④エレファントノイズの採用
⑤剥離剤塗布後の粉塵対策
⑥水性剥離剤の採用
図-3
図-4
図-5
防水シートの施工不良個所から地山水、地下水が覆工表面に湧水します。湧水個所は、ひび割れ部と打ち継部に集中します。湧水は特に寒冷地の場合湧水が氷柱、路面凍結、氷結となり一般車両の安全性の低下になります。
①施工上の注意点=不陸に馴染むように防水シートを施工する
②防水シートに穴を開けない(鉄筋区間、風管吊部)=ハンディーハンガーの採用
③長尺シートの採用(溶着部の個所が減少する)
④ハイイータス工法の採用
道路トンネルは供用後、一般車両の排気ガス(黒鉛)によって覆工表面が煤けます。覆工面の汚れにより一般車両が心理的圧迫感の増加が安全性の低下になります。また、目視による保守点検機能の低下も発生します。
排気ガスはコンクリートの中性化を促進し、鉄筋コンクリート構造物の場合、鉄筋が腐食し剥離剥落の原因になります。
①覆工表面を緻密なコンクリートに仕上げる=型枠フォームにステンレス製を採用
②汚れ防止剤の塗布=アクアシールの採用