施工計画段階では、施工時に必要な製造および施工の詳細な設定、コンクリートの性能の設定を行うとともに工事の要件を満足するように、資材、労務、機材の計画を策定する。
構造物の性能照査に合格するように設計が行われた後、施工計画が策定されるコンクリート構造物の施工においては、種々要因およびその関連を考慮して全体計画を立てることが必要であるため、施工計画の策定について3章に示した、特に、構造物内に実現されるコンクリートの性能に及ぼす影響が大きい現場内の運搬、打込み、締固め、養生等の施工方法については、設計段階で想定した方法と構造物中のコンクリートの性能が同等以上となる方法を設定することが重要である。(5章)
次に施工詳細の設定および構造の設定に基づき、コンクリートの施工に関する性能を設定する。コンクリートの硬化に伴う発熱や収縮などによって施工段階で発生するひび割れは、部材の断面形状、寸法、配筋、変形に対する拘束条件等の構造特性、温度上昇、収縮、強度、クリープ等の材料特性、コンクリートの打込み時期、打込み順序、打込み量、養生、仕上げ等の施工方法、気温、温度、風、日射等の環境条件等、多くの要因の影響を受けるばかりでなく、コンクリート構造物の使用性や耐久性に及ぼす影響も複雑である、そこで、この種のひび割れが耐久性や美観上問題となる場合については、施工計画において特に章を設け、その照査方法を4章に示すこととした。