山岳トンネル工事の安全管理に不可欠な粉じん濃度の測定と、測定結果の周知を効率的に実施するためのツール「トンネル粉じん測定システム」(以下、本システム)を開発。現在稼働中のトンネル工事(中日本高速道路株式会社発注、新東名高速道路湯触トンネル他 1トンネル工事)で実証実験を行った結果その有効性が確認できたため、今後その他の作業所へ導入を開始します。
山岳トンネル工事における粉じんは、じん肺の原因となるため、これまでも対策が行われてきました。一方、近年のトンネル工事では新たな工法の普及や機械の大型化等により、粉じん発生の態様が多様化し、作業環境を良好に維持する観点から「ずい道等建設工事における粉じん対策に対するガイドライン」が改正されることになりました。(2021年4月1日施行)
本システムは、改正ガイドラインにおける「切羽に近接する場所の粉じん濃度等の測定」と「粉じん濃度等の測定結果等の周知の充実」の2項目に対応したシステムとして、長時間の粉じん濃度測定および膨大な量のデータ整理・周知を自動化しました。
本システムでは、粉じん濃度計とバッテリー、無線装置を収めた専用粉じん測定BOXを6か所に設置するだけで計測されたデータが坑内に設置した管理用PCに伝送され、ガイドラインの基準に照らした濃度評価、呼吸用保護具に対する要求防護係数の算出、記録帳票の作成まで自動で行います。データは管理用PCだけでなく、坑内および事務所・支店等の遠隔地からもリアルタイムで確認できることから、「測定」と「周知」の両方において、大幅な業務効率化を実現しています。
<本システムの特徴>
1. 改正ガイドラインに則しデータ収集から評価・帳票作成まで粉じん測定を大幅に効率化
粉じん測定 BOX 外部に突出する吸入口より、粉じんを内部に取り込み濃度を計測
6台の粉じん濃度測定データをリアルタイムで自動取得し、管理用PCで一元管理
自動取得した測定データは、評価から帳票作成までを専用ソフトで自動実施
2. 遠隔から粉じん測定状況・結果をタイムリーに確認
データ伝送は無線、電源は大容量バッテリーを兼備
重機が稼働し危険な切羽周辺での測定作業をシステム化することで安全性向上
3. 既存システムとの連携により粉じん測定に係る基本情報入力の簡素化および測定結果
周知の強化
「切羽監視責任者支援システム」と連携し、掘削や吹付けなどの各作業サイクルタイム
のデータを共有・同期し、データ入力の二度手間を回避
「 切羽監視責任者支援システム 」と連携し、坑内の 大型タッチパネル P C で 測
定管理と測定結果表示
「入坑管理システム」で使用する坑口部のタッチパネルPCでも、粉じん濃度の測定結
果を労働者へ周知
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