アクアカーテン(給水養生工法)

アクアカーテン(給水養生工法)

給水養生工法「アクアカーテン」とは

コンクリートにとって給水養生が望ましい理由

セメントが完全に水和するのに必要な水量は、セメント量の約40%であり、25%程度がセメントと化学的に結合し、残りの15%程度がゲル水として吸着されるといわれています。

水和を有利に進行させるためには、空隙に水が満たされていることが理想であって、自己乾燥を防ぐために、外部から十分な水を供給することがコンクリートの強度増進に役立つとされています。

給水養生工法の位置づけ

型枠を取りはずした後のコンクリートの養生方法を分類します。
 ◇給水養生とは、外部から水分を供給する方法です。
 ◇保水養生とは、外部へ水が逸散することを防止する方法です。
 ◇給水方法はさらに区分されますが、絶えず水を供給する養生は、湛水養生、湿砂養生、給水養生に限られます。

アクアカーテンは給水養生

湛水養生や湿砂養生は型枠の有無に関わらず水平の露出面に適用できますが、壁や柱には適用できません。給水養生は、透水性・保水性のある給水シートをコンクリート表面に吸着させることから、鉛直面やアーチ下面などに貼りつけることができ、しかも、薄い水膜をコンクリート面に絶えず形成するため、給水養生が可能となります。

トンネル覆工コンクリートへの適用

トンネル覆工コンクリート

給水養生の長期化にアクアカーテンを

型枠を取りはずした後も給水養生を継続したい

コンクリートは湿潤養生状態に置かれると長期にわたって強度が増進します。

そこで、セメントの種類によって型枠をとりはずせる時期の標準が示されています。しかし、さらに長期間の給水養生を継続できれば、表面付近のコンクリートの緻密さが増し、耐久性の向上を図ることができます。

コンクリートの強度

トンネル覆工コンクリート

トンネルの覆工コンクリートは、打ち込み後15時間前後で型枠が取りはずされます。

そこで、乾燥を防止するための各種の養生工法が最近用いられるようになってきました。しかし、コンクリート表面付近の湿度を高めるだけでコンクリートに水を給水する方法ではありません。

給水養生なら、早期に型枠を取りはずした後でも給水養生を可能にします。

高強度コンクリート

高強度コンクリートは水セメント比が小さく、硬化組織が緻密で水分が浸透しにくいこと、あるいはもともと水分が少ないことなどから、普通のコンクリートに比べてさらに長期の給水養生が必要とされています。

膨張コンクリート

膨張セメントが膨張するためにはエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)の生成または水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の結晶成長が不可欠で、一般には常温水中養生では7日程度、長くても14日程度の養生が必要です。

膨張コンクリートの養生は、打込み後少なくとも5日間、湿潤養生を保つことを標準とするとコンクリート示方書に記載されています。

低発熱性セメントや混合セメントを用いるコンクリート

中庸熱セメントや低熱セメント、シリカフュームや高炉スラグ微粉末などの結合材を使用するコンクリートについては、湿潤養生期間の標準がコンクリート示方書には示されていません。

標準が示されているセメントと同等の圧縮強度が得られる時期と考えると相当長い時期、湿潤養生が必要となります。特に低温時期にはさらに長い期間養生する必要があります。

型枠の取りはずし時期を早めたい

型枠の取りはずしに必要な強度は得られているけれど、湿潤養生期間の標準を満足する必要から型枠を取りはずせない。

コンクリートの強度

型枠を取りはずしてから一生、水分に接することのないコンクリート部位や部材

材齢7日まで水中養生した供試体をそのまま水中養生すると圧縮強度は順調に増進します。一方、材齢7日から空気中で養生した供試体の圧縮強度の伸びは少なくなります。途中で水中養生すると圧縮強度は再び増加し始めます。

ところが、ボックスカルバートやPC箱桁あるいは建物の壁内面などは降雨に接する機会はありません。

このような環境では、型枠を取りはずした後に数日間でも水分を与えることが好ましいといえます。

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